スポーツ団体のホームページでは、大会要項や試合結果などの資料をPDFで掲載しているケースが多く見られます。
PDFは印刷しやすく、配布資料としても使いやすいため、クラブ代表者や運営担当者にとってたいへん便利な形式です。
一方で、スマートフォンから情報を確認する人が増えた現在では、
- ファイルを開く手間がある
- 文字が小さく読みづらい
- 必要な情報を探しにくい
と感じる場面もあります。
静岡県卓球協会公式サイトを制作する際、PDF資料を残しながら、大会情報をWebページ(HTML)としても掲載することにしました。
大切なのは、紙をなくすことでも、すべてをデジタル化することでもありません。利用する人が、自分に合った方法で必要な情報にたどり着けること。
本記事では、利用者として感じていた課題や静岡県卓球協会サイト制作時の経験をもとに、スポーツ団体の大会情報を掲載するときに意識したことを紹介します。
静岡県卓球協会サイトの制作に携わる以前、私自身も大会情報を確認する利用者の一人でした。
大会に参加するときは、開催日や会場、申込期限など「今知りたい情報だけを確認したい」という場面が多くあります。
その経験から、サイト制作時には必要な情報へすぐアクセスできることを意識しました。
大会要項はPDF掲載が一般的

スポーツ団体のホームページを見ると、大会要項や試合結果などをPDF形式で掲載しているケースが多くあります。
PDFには、紙の資料と同じレイアウトを維持できるという特徴があり、印刷や配布を前提とした資料との相性が良い形式です。
大会運営においても、紙の資料はちょっとしたメモを書き込んだり、結果を直接書き込んだりなど、使用する場面が多くあります。
そのため、PDFでの掲載は非常に理にかなった方法なのです。
印刷して配布しやすい
大会要項は、個人で確認するだけではありません。
スポーツクラブや学校などでは、代表者や指導者が大会要項を印刷し、掲示板に貼ったり、参加希望者やその保護者へ配布したりすることがあります。
紙の資料があることで、練習中に予定を確認したり、メンバー同士で情報共有したりしやすいメリットがあります。
作成・管理する側の負担が少ない
大会要項は、担当者がWordやExcelなどで作成しています。
作成した資料をそのままPDF化して掲載すれば、レイアウト崩れを防ぎながら公開できます。
また、これまで紙資料を中心に運営してきた団体にとっても、従来の流れを大きく変えずに情報発信できる方法です。
リニューアル前のサイトでは、大会要項などの資料をExcelファイルのまま掲載していました。
当時はパソコンから閲覧する人が多く、ファイルをダウンロードして確認する方法でも情報共有はできていました。
しかし、利用者の立場では「大会日程だけ確認したい」「会場だけ知りたい」という場面も多く、そのたびにファイルを開く必要があることに不便さを感じていました。
PDFだけではスマホ利用で困ることも

印刷や配布に便利なPDFですが、スマートフォンで情報を確認する場合には、不便に感じる場面も出てきました。
以前は自宅のパソコンで大会情報を確認する人が中心でしたが、現在ではスマートフォンから必要な情報だけを確認する人も増えています。
特に大会情報は、じっくり資料を読むだけではありません。
- 大会はいつ開催されるのか
- 会場はどこなのか
- 申込期限はいつまでなのか
といった情報を、すぐ確認したい場面も多いのではないでしょうか。
特に会場へ向かう道中では、スマートフォンで開始時間や場所を確認したい場面もあるでしょう。
開くまでに手間がかかる
PDFファイルは、リンクをクリックしてから内容を確認するまでに時間がかかる場合があります。
通信環境や端末によっては、ファイルのダウンロードが必要になったり、別のアプリが起動したりすることも珍しくありません。
この「ワンクッション」が地味にストレスになっている人は、決して少なくありません。
「大会の日程だけ確認したい」「会場だけ見たい」という時には、そのひと手間が負担に感じることもあるでしょう。
また、PDFファイルを表示できないスマートフォン環境もあり、実際に「スマホで開けない」という相談を受けたこともありました。
文字が小さく読みづらい
PDFファイルは、WordやExcelで作成した資料をA4サイズのまま変換して作成されます。
そのため、紙では読みやすかった構成や文字も、スマートフォンの小さな画面では縮小されてしまいます。
拡大・縮小・スクロールを繰り返しながら読むことになり、読みづらさにつながります。
大会要項のように情報量が多い資料では、拡大・縮小を繰り返しながら目的の情報を探すことになり、確認にも時間がかかります。
必要な情報を探しにくい
大会要項には、開催日・会場・参加資格・申込方法・注意事項など、多くの情報が掲載されています。
しかし、利用者によって、その時の状況によって必要となる情報は異なります。
参加者なら開催日時や会場、クラブ代表者なら申込方法や締切など、見るポイントは人それぞれ。
目的の情報へ素早く迷わずアクセスできることも、ホームページでは大切だと考えています。
県卓球協会で改善してきたこと

2019年に静岡県卓球協会公式サイトを制作した際、PDF資料を掲載するだけではなく、大会情報をWebページ(HTML)として確認できる形に変更しました。
その後も運用する中で改善を重ね、2025年のリニューアルでは、より目的の情報を探しやすくするため目次機能も導入しています。
大会情報をHTML化し、必要な情報へアクセスしやすく改善
大会ごとに専用ページを作成し、大会名・開催日・会場・申込情報などをWebページ上でも確認できるようにしました。
PCやタブレットだけでなく、スマートフォンでも読みやすいレスポンシブデザインを採用しています。
画面を拡大したり左右へスクロールしたりせず、必要な部分だけを拾い読みできる構成です。
また、ページ上部には目次を設置しています。
大会要項には多くの情報が掲載されていますが、利用者全員が最初から最後まで読むとは限りません。
目次を設置することで、知りたい項目へ直接移動できるため、必要な情報を探す時間を減らせます。
必要な情報ごとに見出し整理
Webページ化するときに意識したのは、PDFの内容をそのまま貼り付けることではありません。
紙で読む資料と、スマートフォンで確認する情報では、適した見せ方が異なるからです。
利用者がどのような目的でページを見るのかを考え、情報ごとに整理しています。
例えば、
- 開催日時
- 会場
- 参加資格
- 申込方法
など、目的別に確認できるよう見出しを分けました。
会場地図を掲載
大会ページには、会場情報と合わせて地図も掲載しています。
大会参加者の中には、初めてその会場へ行く人もいます。
私自身、初めて訪れる会場へ向かった際、似た名称の別の体育館へ行ってしまった経験があります。
大会開始前に慌てて移動した経験から、初めて参加する人でも迷わないよう会場地図を掲載するようにしました。
印刷用としてPDFも残す
大会情報をHTML化しても、PDF掲載をなくしたわけではありません。
クラブ代表者や指導者の方にとって、印刷して掲示・配布できるPDFは今でも便利な形式です。
用途に応じて選べるよう、PDFファイルの閲覧およびダウンロードリンクを用意しています。
大切なのはPDFをなくすことではない


スマートフォンで見やすくするために大会情報をHTML化していますが、PDF掲載をやめたわけではありません。
新しい方法へ置き換えることではなく、利用する人に合わせた形を考えることを意識しています。
紙で確認したい場面もある
スマートフォンで情報を見る人が増えた現在でも、紙の資料が便利な場面は多くあります。
大会運営側では、受付確認や進行管理などに紙の資料を使うこともあります。
デジタル化することと、紙をなくすことは同じではありません。
今まで利用してきた人も大切にする
長く活動しているスポーツ団体には、これまで続けてきた運営方法があります。
急にすべての仕組みを変えてしまうと、これまで問題なく利用できていた人が戸惑ってしまうこともあります。
今までの方法を否定することではなく、使いやすい形へ少しずつ改善していくことを心がけています。
情報を見る方法の選択肢を増やす
- Webページをスマートフォンで確認する
- PDFを印刷して利用する
利用する場面によって、便利な方法は変わります。
どちらか一方に絞るのではなく選べる状態にしておくことが、結果的に多くの人にとって使いやすいサイトにつながります。
まとめ:ホームページは利用者を案内する場所
スポーツ団体のホームページでは、大会要項や試合結果など、さまざまな情報を届ける必要があります。
PDFは印刷や配布に適した便利な形式であり、今でも多くの場面で必要とされています。
一方で、スマートフォンから情報を確認する人が増えた現在では、Webページとして見やすく整理することも大切です。
静岡県卓球協会公式サイトでは、PDFとWebページそれぞれの良さを活かし、利用する人が目的に合わせて選べる形を意識しています。
特に2025年のリニューアル後には、利用者の方から次のような声をいただきました。



スマホでも見やすいし、大会要項を印刷したい時はPDFをダウンロードすればいいし。すごく使いやすい
この一言は、機能を足したことへの評価というより、迷わずたどり着けたことへの評価だと受け止めています。
ホームページは、ただ情報を置いておくだけの場所ではありません。
必要な人へ、必要な情報を分かりやすく届けるための案内役だと考えています。
Burg Worksでは、静岡県卓球協会公式サイトの制作・運営に携わってきた経験を活かし、利用者と運営者の両方にとって使いやすいホームページ制作を行っています。
